Ver. 3.7.9 - メモリ使用量の削減、大きな図面の高速化、選択精度と検図の改善(2026/8/8)- レザークラフトCAD

リリース日: 2026年8月8日
v3.7.5 から1週間での更新です。今回は目立つ新機能ではなく、「重さ」と「正確さ」に集中しました。メモリ使用量は3分の1以下になり、大きな型紙は開くのに113秒かかっていたものが約4秒になりました。図形の選択が表示倍率によってずれる問題、検図が正しい図面を誤って警告する問題も直しています。

✨ ハイライト

  • メモリ使用量を3分の1以下に — 起動直後 445MB → 138MB、ピーク 916MB → 151MB。革カタログの画像の持ち方を根本から変えました
  • 大きな図面が実用的な速度に — 2,000図形の型紙で、開くのに113秒 → 約4秒、1操作あたりの待ち時間 1.45秒 → 0.45秒
  • 選択の精度 — 当たり判定の大きさが表示倍率に関わらず一定になりました。端点を掴んだ時に図形全体が動いてしまう問題も解消
  • 検図の信頼性 — 誤検出の原因を4つ修正し、「警告されるのに修復できない」箇所をなくしました
  • アンドゥ — 1つの操作は1回のアンドゥで戻るように。履歴をメモリに合わせて自動整理するオプションも追加

🚀 新機能・機能拡張

メモリと起動

  • 革カタログの持ち方を変更 — これまで革の画像は、カタログのJSONファイルの中に圧縮画像として埋め込まれていました。このため起動のたびに全ての画像がメモリ上に展開され、それが使用メモリの大半を占めていました。画像はPNGファイルとしてカタログの外にキャッシュし、必要になったものだけを読み込むようにしました。起動直後の使用メモリは445MBから138MB、ピークは916MBから151MBになります。
  • カタログの読み込みが速くなりました — 起動時にカタログを読む処理が、約4.1秒から約0.16秒になりました。
  • カタログを一通り見て回った場合の増加も抑えました — 表示していないブランドの画像は解放されるため、全ての革を見て回っても増加は14MB程度に収まります(従来は341MB)。
  • ダイアログの遅延生成 — 14個のダイアログを、起動時ではなく実際に開いた時に作成するようにしました。起動時の使用メモリが約33%減ります。
  • アンドゥ履歴の自動整理 — アンドゥ履歴をメモリに合わせて自動的に整理するオプションを追加しました。「最低保証回数」を指定でき、その回数までは必ず戻せます。長時間の作業でメモリを使い切ってしまう問題への対策です。

パフォーマンス

  • 大きな図面を開く時間 — 図形を1つ読み込むたびに図面全体との交点計算をやり直していたため、図形数の2乗に比例して時間がかかっていました。2,000図形の型紙で113秒から約4秒になりました。
  • 1操作あたりの待ち時間 — 同じ型紙で 1.45秒 → 0.45秒。
  • 検図の高速化 — 約5倍速くなりました(1.9秒 → 0.39秒)。
  • グループ化された図形のクリック — 選択するだけで約1.4秒かかっていたのを解消しました。
  • 砂時計カーソルの改善 — 図面が画面に出るまで表示されるようになり、「カーソルは戻ったのに画面が白いまま」がなくなりました。一括修正の実行中にも表示されます。

選択・操作

  • 当たり判定を表示倍率に依らず一定に — 図形を選ぶ時の判定範囲が、縮小すると極端に狭く(10分の1表示で約1ピクセル)、拡大すると広くなりすぎる(約53ピクセル)状態でした。どの倍率でも一定の約12ピクセルになります。重なった2本の線も、近い方が確実に選ばれます。
  • 端点を掴んで動かせるように — 一度動かした端点を掴み直すと図形全体が動いてしまう問題、掴む前の端点が掴めない問題を修正しました。線・ベジエ曲線・円弧すべてに適用されます。
  • 表示倍率を10分の1まで縮小可能に — 大きな型紙の全体を一目で見られるようになりました。

検図

  • 警告の件数をバナーに表示 — 何件見つかったかがひと目で分かります。
  • 斜めであることが正しい線を除外 — 寸法の補助線は、その線が指す図形に対して垂直に描かれるため、曲線上では意図的にわずかに傾きます。これを「図面の誤り」と警告しないようにしました。
  • 検査と修復の範囲を一致 — 「警告されるのに修復ボタンが効かない」箇所がなくなりました。3,848図形の実データで、136件の警告が一括修正1回で0件になり、図形の座標は変わらないことを確認しています。

アンドゥ

  • 1操作=1回のアンドゥ — 4隅の面取り、距離を指定した移動・コピーが、それぞれ1回で戻るようになりました。
  • 連続操作をまとめる — マウスホイールやキーによる回転・拡大縮小・文字サイズ変更・透かしの調整は、一連の操作としてまとめて1回で戻ります。
  • 未確定の変更を表示 — 数値ボックスでの操作中に、まだ履歴に記録されていない変更があることが分かるようになりました。

その他

  • 図形サイズ変更ダイアログで四則演算 — 他の数値入力欄と同様に計算式を入力できるようになりました。
  • 右クリックメニューの整理 — 修復系のコマンドを編集系のコマンドから分離しました。
  • 重複図形の削除を通知 — プロジェクトを開いた時に重複図形を削除した場合、その件数をお知らせします。これまでは黙って削除され、「何もしていないのに保存を聞かれる」原因になっていました。
  • 新規作成・プロジェクトを開いた時 — 革シミュレータから選択モードに戻り、「作図線を隠す」のチェックが外れるようになりました。
  • オプション画面のレイアウトを整理

🐛 不具合修正

検図

  • 端点が繋がっているのに、交差しているものとして赤く警告される不具合を修正。
  • 0.2mm未満の短い線が、正しく繋がっていても隙間として警告される不具合を修正。
  • 円弧やベジエ曲線が絡む重なりが、警告されるのに修復できない不具合を修正。
  • 一括修正が、右クリックの修復では直せる箇所を修正できない不具合を修正。
  • 傾いた線へのT字接続を、その線の傾きを保ったまま閉じるようにしました。
  • 重なりの警告メッセージが、実際には判定していない原因を断定していたのを修正。
  • 検査が終わったタイミングによって、警告の点滅が見えないまま始まってしまう不具合を修正。
  • 1つの図形の両端が、同じ接続点としてまとめられてしまう不具合を修正。
  • はみ出し量の判定を、内部パラメータではなくミリメートルで行うようにしました。

選択・スナップ

  • 複数の図形をドラッグすると、掴んでいない点までスナップして図形が引っ張られる不具合を修正。
  • 線をドラッグすると、掴んでいない側の端点がスナップして線が移動してしまう不具合を修正。

アンドゥ

  • 図形が動いていないドラッグでもアンドゥ履歴が積まれる不具合を修正。
  • グループ化された図形を選択しただけでアンドゥ履歴が積まれる不具合を修正。
  • アンドゥ・リドゥの後に変更フラグが戻らず、保存の確認をしないままアプリを閉じられてしまう不具合を修正。作業内容が失われる可能性がありました。

透かし・その他

  • 透かしの支点をドラッグした結果が座標欄に反映されず、次の編集で画像が元の位置に戻ってしまう不具合を修正。
  • 縫い穴をまとめて描画した後にキャンバスの設定が元に戻らず、以降の描画に影響することがある不具合を修正。

メモリ使用量については、詳細な計測データをご報告いただいた方のおかげで原因を特定できました。「動作が重い」「メモリを使いすぎる」というご報告をくださった皆さま、ありがとうございました。 🙏